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救急外来や病棟で、脳卒中を疑う患者に最初に気づける立場にいるのは、研修医や看護師の方であることが多いです。院内での脳卒中対応に必要な視点と、体系的に学ぶ方法をご紹介します。 |
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「なんとなくろれつが回りにくい」「少しふらふらしている」という主訴で来院した患者。バイタルは安定していて、一見重篤には見えない——。
しかしその症状、脳卒中の初期サインである可能性があります。
脳卒中は発症からの時間経過とともに脳細胞が急速に失われていく疾患です。早期に「脳卒中かもしれない」と気づき、迅速に次の対応につなげることが、患者の予後を左右します。
院内で患者に接する研修医・看護師の方にとって、標準化された評価スキルを身につけておくことは、いざという場面で確実に力を発揮します。

脳卒中対応の難しさは、症状の多様さにあります。典型的な片麻痺・構音障害だけでなく、めまい・複視・バランス障害など、ほかの疾患と区別しにくい症状で発症することも少なくありません。
そのため、現場の医療従事者には一刻を争う状況下で以下のような的確な判断と行動が求められます。
これらの判断が実際の臨床現場で難しい理由は、脳卒中の症状の多様さと、対応のすべてが時間に直結しているからです。
- この症状はストロークアラートを出すべきか?
院内でのコードストロークの発動判断では、片麻痺・構音障害のような典型的な症状だけでなく、めまい・複視・ふらつきといった後方循環系の症状も見逃せません。「疑わしければ動く」という判断基準を持ち、BE-FASTをはじめとした評価ツールを正しく使えるかどうかが、治療開始の遅れを防ぐ第一歩となります。
- 虚血性(AIS)か出血性(ICH・SAH)か、どう鑑別するか?
AISと出血性脳卒中(ICH・SAH)の鑑別は、初期の臨床所見だけでは困難なケースも多く、CT等の画像診断が確定には不可欠です。しかし両者では治療方針が根本的に異なり、AISに対するtPA投与や血栓回収療法は出血性脳卒中には禁忌となります。それぞれの症候群の特徴と病態生理を理解しておくことで、画像診断前の段階でも適切な準備と情報収集が可能になります。
- NIHSSをどう使って重症度を評価し、チームに伝えるか?
NIHSSによる重症度評価は、脳卒中の重症度を数値化し、チーム内で共有するための標準的な評価スケールです。正確なスコアリングには体系的なトレーニングが必要であり、評価をチーム間で適切に伝達することで、専門科への連絡のタイミングや治療方針の判断を迅速かつ正確に進めることができます。共通の評価基準を持つことが、組織的な脳卒中対応の基盤となります。
- 専門医・上級医への報告を、参考にどのように的確に行うか?
専門医・上級医への報告では、「何を、どの順番で、どう伝えるか」が治療開始スピードを左右します。情報の抜け漏れや曖昧な伝え方が、その後の判断を遅らせることになります。標準化されたコミュニケーションの枠組みを身につけることで、緊迫した状況下でもSBARなどにより、的確な報告が可能になります。
こうした判断のひとつひとつに、根拠に基づいた標準的なアプローチを持てているかどうかが、患者の予後や転帰(社会復帰の可能性)を大きく左右します。
アメリカ心臓協会(AHA)とマイアミ大学ゴードンセンターが共同開発したASLS(Advanced Stroke Life Support)プロバイダーコースは、脳卒中患者に関わる全ての医療従事者を対象とした国際標準の教育プログラムです。
本コースでは、以下を体系的に学べます。
- 脳卒中の早期認識:症状・病態の理解と、見逃しを防ぐ評価の視点
- 5つの主要な脳卒中症候群の鑑別:病態生理と臨床所見を結びつけて理解する
- 重症度評価:BE-FASTやNIHSSなどのスケールを正確に使用し、チームへ伝達する
- 初期管理の判断:虚血性・出血性それぞれの対応の違いを理解する
- 組織的アプローチ:院内チームとして患者転帰を改善するための動き方
▶ ASLSプロバイダーコースの詳細を見る
価格・カリキュラム・対面スキル評価セッションの内容など、コースの詳しい情報はこちらでご確認いただけます。
コース詳細を見る知識と実技の両面から学ぶことで、実際の臨床場面で確実に活かせるスキルの習得を目指します。

ASLSプロバイダーコースはブレンデッドラーニング方式で提供されます。オンライン学習はアダプティブ(適応型)学習を採用しており、受講者自身の知識レベルや習熟度の自己評価に応じて、学習パスが自動的に最適化されます。画一的な講義形式と異なり、自分が理解できていない部分に集中して時間をかけられるため、より深い理解につながります。また繰り返し学習できる点も、知識の定着という面で従来の対面講義にはない強みです。
- オンライン学習(自己ペース・アダプティブ型)
受講者の知識・習熟度に応じて学習パスが最適化されます。理解が不十分な箇所を重点的に学べるため、効率的かつ確実な知識習得が可能です。 - 対面スキル評価セッション(半日・3〜4時間程度、全て日本語)
神経学的評価の実施、脳卒中症候群の評価、シミュレーションシナリオへの対応を、AHA認定インストラクターが直接評価します。 - eカード取得
修了後はAHA公認・世界共通規格のASLSプロバイダーeカード(有効期限2年)を取得できます。
日本ACLS協会では、オンライン学習とスキル評価セッションをセットでご提供しています。オンライン学習教材は英語版のみとなりますが、当協会が独自に作成した日本語補足資料を全受講者にお渡ししています。英語に不安がある方でもスムーズに読み進められるよう、しっかりと学習をサポートしています。
ASLSプロバイダーコースは現在、東京・大阪・船橋で開催予定です。定員に限りがありますので、お早めにご確認ください。
▶ コース日程・受講料を確認する
開催地・日程・受講料の詳細はコース検索ページでご確認いただけます。東京・大阪・船橋にて順次開催予定。
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