心血管障害、脳卒中の研究および心肺蘇生教育に関する世界的情報発信団体であり、世界的権威でもあるAHA アメリカ心臓協会。その使命と取り組みについてまとめました。 |
AHAとはアメリカ心臓協会:American Heart Associationの略称で、心血管障害、脳卒中の研究および、心肺蘇生教育に関する情報を世界的に発信する、1924年設立のアメリカの患者支援団体です。
AHAが展開する緊急心血管治療 ECC(Emergency Cardiovascular Care)プログラムは、世界に類を見ないシステマチックな構成で、バイスタンダーCPRから始まり高度な二次救命処置に至るまでの「救命の連鎖」をつくりだし、救命プロトコールを確立。現在では世界30か国以上で展開される事実上の国際標準となっています。
AHAは心血管障害と脳卒中治療に関する研究を行なう学術団体でもあります。そのエビデンスに基づいた最新のサイエンスをもってAHA ECCプログラムは作られています。
また、医学的サイエンスだけではなく、教育学的観点からも十分考慮されており、正しい知識とスキルを伝えるだけでなく、目的に合わせてモチベーションを高めたり、受講生の現実の場面を想定したシミュレーショントレーニングを繰り返し行い、蘇生技術を確実に実践できる状態に引き上げます。
※ECCプログラムとは、具体的にはBLSプロバイダーコースとACLSプロバイダーコースのことで、これらコースの企画、開発、運営すべてを意味しています。
AHA(アメリカ心臓協会)の使命は、すべてのコミュニティで「救命の連鎖」を改善することによって、心血管疾患、脳血管疾患による死亡と後遺症を軽減することにあります。
アメリカ心臓協会緊急心臓血管治療プログラムの使命記述書
アメリカ心臓協会の緊急心臓血管治療プログラムの任務は、すべてのコミュニティで救命の鎖を改善することによって心肺停止、重症不整脈、虚血性心疾患、脳血管疾患による死亡と後遺症を軽減することにある。
緊急心臓血管治療プログラムの重んずる規範
アメリカ心臓協会緊急心臓血管治療プログラムは、確固たる科学的根拠に基づいており、最も優れた教育と訓練を行う職務を担う。またさらなる任務を遂行するために経済的にも自立している。
緊急心臓血管治療プログラムの指針
- 全てのコミュニティにおいて救命の鎖を強化する。
- 緊急心臓血管治療の教材の質を常に向上させ 時期を遅れず提供する。
- 緊急心臓血管治療のトレーニングの必要性を認識しそれを広める。
- 緊急心臓血管治療の有効性を実証する。
- 緊急心臓血管治療を効率よいものにする。
AHAは、「AHA心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation (CPR) and Emergency Cardiovascular Care (ECC)」 を公開しています。これはアメリカをはじめ世界中の医療従事者、会社、および病院で使用されている救命プロトコールの基礎になっています。