日本ACLS協会の兵庫トレーニングサイトにて、BLS、ACLS、PALS、PEARS講習のインストラクターをしている岩見さん。
元々日本ACLS協会主催コースの受講生さんで、現在では指導者側になり日々指導を行っています。兵庫トレーニングサイトは70名のインストラクターが在籍されている大きなサイトです。三ノ宮駅からも近く、おしゃれな街並みの中にあります。

岩見さんは、10年以上のキャリアがあるベテランインストラクターです。インストラクターとして講習にかける思いや、インストラクターになったきっかけ、長く携わっておられたからこその様々な話をして下さりました。

コース受講を迷っている方やインストラクターを志している方にとって、非常にタメになるお話しなので、ぜひご一読ください。

AHA岩見様

日本ACLS協会の兵庫トレーニングサイトにて、BLS、ACLS、PALS、PEARS講習のインストラクターをしている岩見さん。兵庫トレーニングサイト所属/保有ライセンスBLS、ACLS、PALS、PEARSインストラクター

今まで行った講習は1,000回以上!

岩見さんは、トレーニングラボでインストラクターをなされているという事ですが、具体的にはどんなお仕事なのでしょう。

BLS、ACLS、PALS、等の医療従事者向けコースもそうなんですけれども、一般の方が対象になっているようなPEARSコース、ハートセイバーファーストエイドCPRコースなども行っております。また、インストラクターを養成するコースの講習も行っています。

それは、凄いですね。いままで、10年以上のインストラクターのご経験がおありですが、どのくらいの回数の講習を行ってこられたのでしょうか?
BLSコースを700回、ACLSコースを261回、PALSコースを37回、PEARSコースを15回とまだまだですが・・・。活動して来ました。それ以外にインストラクタートレーナーとして、BLSインストラクターコースを15回、ACLSインストラクターコースを5回ですね。

凄い回数ですね
そうですね。

本日は、東京トレーニングラボに来られていますが、普段はどちらのトレーニングサイトで講習を行っているのですか?
普段は兵庫トレーニングサイトで活動を行っています。

兵庫サイト

兵庫県にある兵庫トレーニングラボにて、PALSコースの講習を行っている。

頻度は?
毎週末と平日不定期ですが、週に2・3回、サイトとしては多いときは毎日行っています。

兵庫トレーニングサイトのインストラクターは何名位おられるのですか?
約70名位います。

そんなにおられるのですか?
そうですね。兵庫トレーニングサイトは関西では大きなトレーニングサイトです。三宮駅からも近いんですよ。三宮駅は賑やかな繁華街もあり、とても通いやすいサイトなんです。

まずは自分が知って、周りの人にも伝播していきたい

話は変わりますが、岩見さんがインストラクターになったキッカケはなんだったのでしょう?
元々、救急救命に興味はあったのですが、現在の職種として関わることができなかったので、どうしようか悩んでいました。
しかし、周りの人間が知っているということと、自分が知っていることにより、周りの人間に伝えることができるということでは全く違います。自分が知っていれば、それを伝えることにより、周りの方でできる方が増えるのではないかと考えたのが、インストラクターになったきっかけです。
あとは、働きだしてすぐの時に、何もできず、目の前で亡くなっていかれた方を見ていて辛かったというのが、一番の理由です。

長い間インストラクターをなされていますが、周りの生徒さんや、インストラクターに対して講習を行う上でどういう所に気を付けておられるのですか?
AHAのインストラクターとして気を付けていることは、インストラクターコースでも皆さんに必ずお伝えしていることですが、AHAの教材を使ってガイドラインに沿った内容をぶれずにお伝えすることです。

また、出会った受講生の方や同じインストラクターの方々から学べることも非常に多かったので、そういう所で自分の知識をどん欲に吸収する形でお伝え出来る事、根拠の無いことはお伝え出来ないので、しっかりした根拠があるもの、また、私見であれば、そうであることを、きちんとお伝えしています。

具体的にはどういう所に力をいれておられますか?
皆さん受講に来られる方々は緊急の現場で対応するために来られているので、それがぶれないようにお伝えするために、言葉を変えたりとか付加価値を付けたりし理解していただく為に力を入れています。

そうですね。緊急の事態は突然起きますし、その時に実践できるように工夫をされているのですね。そのほかに、インストラクターになられたことで良かったことはありますか?
出会いですね。受講生の方々との出会いもありますし、インストラクターの方々との出会いもあります。
様々な出会いが自分にとって凄いプラスになりますし、受講に来られる様々な方々全てにしっかりと理解していただくことにも繋がります。

岩見様トーク

身振り手振りを交えて熱くインタビューに答えてくれた岩見さん

色々な協会がある中で、何故、ACLS協会を選んだのですか?
日本ACLS協会のコースの質の高さに驚き、インストラクターを志しました。ガイドラインに基づいた内容としっかりとしたテキストがあって、インストラクションをするとしてもインストラクターマニュアルというのがしっかりとある中で伝えられる、また、DVDなどもあり全国どこでも同じ水準のコースというのが、AHAを選んだ理由で、ACLS協会がしっかりとした活動をされていたので、選びました。

いつ、だれに訪れるかわからない。「知っている」と「知らない」は大きな違い。

現在のお仕事について教えてください。
公立大学法人 奈良県立医科大学にて、胸部・心臓血管外科で臨床検査技師として働いています。

臨床検査技師とはどのようなお仕事ですか?
心臓の超音波検査をさせていただいています。あとは、病院に来られた時に心電図を取りに行ってくださいとか、肺活量の検査や脳波の検査に行ってくださいとかも言われることもあると思います。そういうことをする技師です。
予防としての検査をしたりもしますが、心臓外科に来られる方は他病院の先生の紹介状を持って来られています。

お仕事をされる上で、心掛けておられることや、気を付けておられることはありますか?
先生方が診察をされるうえで、きちんとしたデータを出さないといけないのですが、決め打ちをしない様に、見落としをしない様にと、しっかりと検査をすすめようとすると、検査を受けておられる方に多くの要求をしてしまいがちです。しかし、辛い時もおありだと思いますので、できるだけ過度の負担をかけない様に、検査を受けておられる方の心に寄り添うように心掛けています。

岩見様X-JAPAN

コース内容に応じた各種トレーニング機器を整備しているので初心者でも安心。

治療する上での方針を決めるための検査に慎重に精密にお仕事をされていることが分かりました。
また、ちょっとお話はそれますが、現在の臨床検査技師というお仕事とBLS・ACLSという緊急を要するお仕事の違いについてお教えください。

実際に目の前で心停止を起こされた現場に立ち会った友人もいます。そういう意味では全く関わらないということはありません。
その友人も「何もできなかった」ということで、非常に後悔していました。そういう意味では必要な資格であると思います。
あとは心停止になる前の予防という意味でお伝え出来るコースもありますので、心停止を防ぐ上でも役立てると思います。

様々なお仕事をされている方が、興味を持ってこのページに来られています。
また、受講を悩んでいる方もおられると思います。何かメッセージをお願い致します。

「自分には関係のないこと」だということは、絶対にありません。その時は突然やってきます。その時に「知っている」ということと、「知らない」ということは、大きな違いとなります。その為に、できるだけ多くの方に受講していただきたいと思います。

「X JAPAN」のライブ中に何かあっても私が助ける!!

話は変わりますが、好きなこと、趣味などについて教えてください。
「X JAPAN」のファンです。特にHIDEさんのファンです。元々、HIDEさんは、事故なのか自死なのかというのが話題になっていたのですが、その場でもし、自分がいたら、助けられたのかもしれないという思いがあります。
あとは、今、リーダーのYOSHIKIさん、頚椎のオペをされて今もリハビリ中なので、ライブ中などに倒れられたら、絶対に助けたいと思いますし、自分が助けられなかったとしても、自分が伝えた受講生の方が助けてくださったりとか、伝える立場であるインストラクターを育てることができたらと思っています。

そうなんですね。
ちょっとカッコイイ言い方をすると、無限の樹形図のような形でインストラクターの方が1人おられたら、その先に多くの受講生が方々が沢山おられるのでそういう意味でインストラクターの方を沢山育てていけるような活動ができたらというのが今の一番の願いです。
後はよこしまな考えとしてはライブ中に倒れられた方を助けた後にYOSHIKIさんが「よくやったね」とハグしてくださったらとても嬉しいかなっていう(笑)、よこしまな考えもあるので、ちょっとテンション落ちずに・・・という・・・。これ、いつもコースの時のネタにするんですけど、関西人としては、笑いが必要なので。

HIDEさんのファンになったキッカケは?
その当時X JAPANはビジュアル系バンドの先駆けで、昔「元気が出るテレビ」などで批判をされることもされていたと思うんですけど、中々目を引いていて。
そして、奇抜なことをやってはる割に繊細な感じの曲で凄い良かったですね。
今はちょっとメンバーも変わっておられてますが、まあ、まだまだあんなおじさん(YOSHIKIさんの年齢はX歳となってますが)バンドが頑張っておられるので、自分ももうちょっと頑張れるかなーと思っています。

ありがとうございます。本当に沢山の試練を超えて長く活動をされているのは素晴らしいですね。

岩見様X-JAPAN

お気に入りの「X JAPAN」グッズを手に。

必要なのは「一歩を踏み出す勇気」

沢山のお話をありがとうございました。最後に多くの方々が、BLSやACLSのコースを受講しようか悩んでおられると思います。アドバイスをお願い致します。
心肺蘇生自体そうなんですけど、「一歩を踏み出す勇気」は必要だと思います。迷っておられるのであれば、まず、テキストを買ってみていただいて、なおかつ、そのままテキストを持って受講しに来ていただけたらと思います。決して受講された後の後悔は無いと思います。とても良いコースだと思います。

実際に受講して、それが現在のお仕事に直接関係が無い方もおられると思いますが、何かあったときに、自分は率先して関わることができるという、自信が付くのか、あるいは、受講することによって、人間の体について知識が付き、日々の仕事にも、生活にも役立つという所は、両面あるのでしょうか?
医療従事者の方であれば、仕事に必ず役に立つと思いますし、ある種自信も持てるのではないかと思います。
あとは、医療従事者であっても、非医療従事者であっても、普通に歩いているところで誰かが倒れれば条件は変わりませんので、自分の身にはそういうことが起こらないということは、絶対に無いので、是非知っておいていただきたいと思います。