PALSとは

PALSとは、Pediatric Advanced Life Support の略称で、AHA(アメリカ心臓協会:American Heart Association)がAPP(米国小児科学会:American Academy of Pediatrics)などと協力して提唱している小児二次救命処置法のことです。

PALSプロバイダーコースは、小児の心停止を未然に防ぐ介入から、重症の疾患や外傷のある小児に対する治療の質の向上と予後の改善など、小児急変対応を学ぶ研修プログラムです。体系化された評価手順とアルゴリズムを用いてできるだけ簡便な方法で小児に迫った緊急度を判断し、小児科専門医に引き継ぐまでの安定化を行う方法を学びます。



AHA PALSプロバイダーコース

AHA(アメリカ心臓協会:American Heart Association)のPALSプロバイダーコースは、心停止および心停止前後の小児患者に対処するための知識とスキルを学ぶコースです。循環器系および呼吸器系等を中心に重度の疾患および外傷等を負った小児の緊急病態に対する救命処置として、小児医療を専門とする医師や看護師には不可欠な技術であり、さまざまな認定医・専門医制度でAHA PALSプロバイダーコースの修了が必須の資格条件ともなっています。

小児科医のための専門的なプログラムとしてだけではなく、専門外で小児救急を診る医師や小児に苦手意識を持つ看護師、救急救命士なども受講対象としています。

PALSプロバイダーコースの目標は、重症の疾患や外傷のある小児に対する治療の質を向上し、専門医(小児科医)に円滑に引き継ぐことです。ビデオを利用してインストラクターが指導するクラスルーム形式のコースでは、一連の小児緊急事態をシミュレートしながら、小児評価、一次救命処置、PALS治療アルゴリズム、効果的な蘇生およびチームダイナミクスに対する体系的なアプローチという重要な概念を学び強化していきます。

AHA PALS各種コースのご案内

日本ACLS協会では、AHA(American Heart Association:アメリカ心臓協会)のガイドライン2015(G-2015)に準拠した、「PALSプロバイダーコース」やPALSインストラクターを養成するためのコース「PALSインストラクターエッセンシャルコース」をご用意しています。

PALSプロバイダーコース

PALSは小児患者の呼吸器系や心血管の緊急事態および心停止の処置を指揮する、またはこれに携わるヘルスケアプロバイダーを対象としています。また受講前準備、理論的な説明、スキルステーションとシミュレーションケースへの積極的な参加により、呼吸器系緊急事態、ショック状態、心肺停止を認識し、介入する能力を身につけることができるようになります。

受講条件
 下記いずれかの資格保有が必須
  • AHA BLSプロバイダー/インストラクター資格保有者(有効期限)
  • AHA PEARSプロバイダー/インストラクター資格保有者(有効期限)
  • AHA PALSプロバイダー/インストラクター資格保有者(期限不問)

PALSリニューアルコース

PALSを十分に習得している方が、短時間で知識の確認・復習をするための更新コース(ショートコース)です。試験が合格点に満たない場合、補習および再試験はございません。ご自分の知識が十分でないとお思いの方や、もう一度じっくり勉強してみたいとお考えの方は、PALSプロバイダーコース(フルコース)をご受講されることをお勧めいたします。

受講条件
 下記資格保有が必須
  • AHA PALSプロバイダー/インストラクター資格保有者(期限不問)

PALSインストラクターエッセンシャルコース

すべてのAHA PALSコースを指導できるPALSインストラクターを養成するためのコースです。本コースを修了しただけでは、PALSインストラクターとしては認定されません。実際のコースでモニター評価を受け、合格した方にPALSインストラクターカードが発行されます。

受講条件
 下記条件を全て満たすことが必須
  • AHA BLSプロバイダー/インストラクター資格保有者(有効期限内)
  • AHA PALSプロバイダー資格保有者(有効期限内)
  • 日本ACLS協会主催コアインストラクターコース受講済み
  • TS長の推薦を受けた方