なぜACLSは2日間の受講が必要か?
【なぜ?ACLS 受講日程 1日と2日 違いはなに??】

救命講習の定番になりつつあるAHA ACLSプロバイダーコースですが、主催団体によって受講所要時間にバラつきがあることをご存知でしょうか。
そこで、皆様が疑問に思われる理由について解説していきます!

ACLSを学ぶこととはどういうことでしょう?
心肺蘇生と救急心血管治療のための国際ガイドライン2000 (AHA:アメリカ心臓協会)には二次救命処置を適用するにあたって鍵となる原理ということで以下のように書かれています。

心肺停止前後期
 ECC(Emergency Cardio-vascular Care : 救急心血管治療)はもはや心肺停止患者のみに焦点を当てるものではない。
救急医療プロバイダーは心停止状態のみに対象を狭めることは不可能である。・・・中略
 最初の治療者がこの心停止前後期や心停止前期の重要な時間に適切に治療を実施できれば、完全な心肺停止期状態に陥るのを防ぐことができる。
 国際ACLSの勧告には、こうした心停止前後期状態に対する科学的エビデンスに基づくガイドラインと教材が提供されている。
 ◆急性冠症候群
 ◆急性肺水腫、低血圧、ショック
 ◆症状のある徐脈
 ◆安定した、または不安定な頻脈
 ◆急性虚血性脳卒中
 ◆蘇生後における脈拍、調律、心機能の障害

 1970年代から患者救命を目指して来たAHAですが、心停止になった患者を救命するには限界があるとの判断のもと不整脈や急性冠症候群、急性虚血性脳卒中、蘇生後の治療まで対応の範囲を広げてきました。
 そして現在ではMET (Medical Emergency Team)やRRT(Rapid Response Team)と呼ばれる急変対応チームを院内に配備させ、異常なバイタルサインを示した患者に早期に介入し、心停止にさせないよう努力すべきとの方向で進んでいるのが実際です。
受講後すぐに臨床で役立つようなコースを開催するために
 AHA(アメリカ心臓協会)はこれらの内容を学ぶにはどうしても2日間が必要との判断で2日間コースを推奨しています。
 もちろん1日コースを開催していけないということではありません。 ただ日本ACLS協会所属のインストラクター自身がACLSコースを受講した経験、取得すべき内容を考慮した時、受講生のタメになるのは2日間コースであろうと強い信念を持ち、自信を持ってご提供しております。
 日本ACLS協会では受講後、コース内容がすぐに臨床で役立つコースをモットーに開催していますので、ACLS1日コース開催の予定はありません。AHA ACLSプロバイダー資格を取るだけであれば1日コースでも良いかもしれませんが、内容量が多すぎて頭が飽和状態になり、身につかず結果として臨床現場で生かせないのではと思います。
少しでも迷ったらコース受講を!
いちからじっくり学びたい方や、少しでも共感いただけた方は是非2日間のACLSコース受講してみてはいかがでしょうか?
明日の臨床から経験を活かせます!!